感情曲線
「感情曲線」とは感情の強さが時間と共にどう変化していくかを示すものです。
何かの出来事があって面白い・腹が立つ・悲しいなどの感情を感じると、通常はどんな感情でもピークを迎えると徐々にその感情は弱くなってきます。
しかし憎しみ・怒りなどの一般に負の感情といわれるものを「感じてはいけない」と思っていたり、恐怖、不安などの感情が強すぎて「とても耐えられない」と思ったような場合、防衛機制が働いて抑圧・抑制・逃避・否認などによりその感情をピークまで感じないようにする場合があります。
ピークを迎えられない感情は心の中に一定の強さで残って持続することになってしまいます。
とても大切な人が突然亡くなってしまったような場合や戦争に行って想像を絶するような恐怖を味わったような場合、感じるべき感情を抑圧したり逃避することで自分を守ろうとします。ある一定の期間はそうした時間も必要な場合もあるでしょう。
悲しみにしろ、恐怖にしろ、必要な分だけしっかりと感じ切らないとその感情の強度は弱まっていきません。
感情を抑え込う人へ・・・
一般的には「使った感覚が強く」なりますので「抑え込んで感じなくする」ことでその感覚を弱くすることができるのではないかと考える人もいるかもしれません。
ネガティブな感情や感じたくない感情を抑え込むのではなく、人と分け合ったり、ドラマや小説をみて出来事のとらえ方を変化させたり、必要な場合は心をケアするためのリラクセーションや癒しを得ながら、そうした感情と向き合い、時間をかけてでも感じ切る必要があります。
場合によっては辛く、苦しい作業になるかもしれません。必要な場合は専門家の援助を得ながら、未完了の感情を感じ切り、心の安定と平和を取り戻しましょう。