苦しみを生む自動思考
自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。
感情的推論(感情的理由付け)
自分の感情を真実を証明する根拠のように考えてしまうこと。その時の気分や感情に基づいて事実を解釈すること。
感情的推論の例
- 私にできないのだから、彼にできるわけがない
- 私がこう感じるのだから、それは本当の事だ
- こんなに落ち込んだ気分なのだから、結婚生活がうまくいくはずがない
小さい子どもや女性に多い思考です。感性や感覚を大切にする人が陥りやすい思考パターンです。
何かを創造したり没頭するためにはとても大切な思考パターンなのですが、強すぎると良好な人間関係を築いてていく時に問題を生じる場合があります。
その人がどんな気分になるのかは、事実に対してその人がどう捉えたか(判断、予測)によって決まります。そして、その捉え方の根拠が事実ではなく自分の感覚に基づいているわけですから、本人にとっては事実であっても、周りの人にとっては事実ではないという行き違いが生じてしまいます。
こうした傾向が強い人は・・
事実を自分が判断したことに対する根拠の質、事実や反証の妥当性(事実に基づいているか)について検討する癖をつけると良いでしょう。