逃げること
「逃げてはいけない」と思っている人は多いのではないでしょうか?
どんな時でも勇敢に立ち向かって行く姿が人として素晴らしいと教えられることが多かったからでしょう。
しかし「逃げること」は決して悪いことではありません。
逃げることは生き物に課せられた重大な目標である「生き残ること」を全うしようとする姿だからです。
必死に生き残ろうとする姿は決して惨めなものではありません。
むしろ生き物として純粋で潔い姿です。
生き物が危険と遭遇した時、生き残るために選択できる方法は3つしかありません。
1:息を潜めて危険が去るのをジッと待つ、2:逃げる、3:戦って危険を粉砕する(あるいは遠ざける)という3つの方法です。3つとも失敗すれば、そこには間違いなく「死」が待っています。
ここで思い出して欲しいことは人間の大部分は「動物(生き物)」であるということです。
危険が迫った時相手の危険度に関わらず、どんな敵に対しても戦いを挑んでいたら、そこに待っているのは死です。人間社会で言えば、「人間関係の破綻」「解雇」「左遷」「倒産」などに当たるでしょう。
勝てない相手に勝てる可能性がないまま向かって行くことは、生き残る確率を低下させてしまいます。
勝てる見込みがない時、生き残るために逃げることは大切なことなのです。
逃げれば次回戦うチャンスが残ります。チャンスが残れば勝つための対策を立てたり、勝つための力をつける時間を取ることができるのです。
今勝てない相手からは素早く逃げ出し、勝つための取り組みをすれば良いのです。もし仮にどれだけ知恵を絞っても、どれだけ力をつけても勝てない相手なら逃げ続けることも勇気ある行動なのです。
ただし、ほとんどのケースでは今勝てなくても知恵を絞り力をつければ、いつかは勝つことができるものです。
逃げることで罪悪感や自己嫌悪が生まれるなら、いつかか勝つための取り組みを始めましょう。
逃げることも、ジッと耐えながら待つことも、戦うことも生き残るために必要です。
問題は逃げることではなく、いつもどんな相手からも逃げること、いつもどんな時もどんな相手にもジッと耐えていること、いつもどんなときもどんな相手にも戦いを挑むことなのです。
危険が迫った時の対処法が偏ることなのです。
待つ、逃げる、戦うのバランスをうまくとって、いつでも自分を愛し、信じ、尊敬できる状態でいてください。