5種類のペインスキーマ
「生きづらさ」を生み出すペインスキーマは5つに分類することができます。
- 人と関われない
愛されたい、守られたい、理解してもらいたい、受け入れてもらいたいという本能的欲求が満たされなかった時に生まれるスキーマ - 自分にはできない
有能な人でありたい、うまくやりたいという本能的欲求が満たされなかった時に生まれるスキーマ - 周囲が優先
自分の考えを大切にしたい、感情や考えを自由に表現したいという本能的欲求が満たされなかった時に生まれるスキーマ - 悲観し追い詰める
自由に生きたい、楽しく生きたい、遊びたい、楽しみたいという本能的欲求が満たされなかった時に生まれるスキーマ - 自分が中心
自立した人でありたい、自分をある程度コントロールしたいという本能的欲求が満たされなかった時に生まれるスキーマ
第3のペインスキーマ
ペインスキーマの第3分類は「他人が優先」という状態を作り出すスキーマです。
このペインスキーマは「自分の考えを大切にしたい」「感情や考えを自由に表現したい」という本能的欲求が満たされなかった場合に作られます。
第3分類の具体的スキーマについて考えていきましょう。
自己犠牲スキーマ
「自分より他者を優先するのは当たり前」というスキーマです。
このスキーマを持つ人にとっては、それがあまりにも当然で、自分を犠牲にしていることさえ気づかない人もいます。
「人の喜びは自分の喜び」「人の悲しみは自分の悲しみ」と感じるので、他者を喜ばせたり、他者の苦しみを減らすために「自分が何とかしなければいけない」と感じて他者に尽くします。
一見するとこのスキーマは自己犠牲の精神に基づいた素晴らしいもののような気がするかもしれません。
しかし、このスキーマを持った人は、いつも他者からのネガティブなエネルギーを受け取り、どれだけ頑張っても「何もしてあげられなかった」と満足することはありません。
自分を褒めたり、満足できないことで様々なトラブルを引き起こしてしまいます。
自己犠牲スキーマを持つ人の自己防衛策
- いつも相手に気を使いつづける
相手の言動にいつも注目し、相手の先回りをして世話をし、援助します。
相手のネガティブな感情をまっすぐに受け止め、それをどうにかしてあげたいと心を痛め、それを解消するために手を尽くします。 - 必要以上に謙遜する
人に対して自分を犠牲にすること、人に尽くすことを当然だと考えているので、そのことを褒められたり、感謝されても謙遜して褒め言葉として受け取ってくれません。 - いつも罪悪感を感じている
どれだけ手を尽くしても、その人のネガティブな感情が解消されないと、「何もしてあげられなかった」と罪悪感を抱きます。自分を犠牲に他者につくしても、いつも謝ってばかりです。 - 心身のダメージを蓄える
常に自分を犠牲にして他者に尽くすことは、甚大な労力が必要です。
心身に疲れを蓄積し、時折深いため息をついたりします。
場合によってはストレスによって体をこわすことがあります。
自分を犠牲にして他者に対して尽くすことで喜びを感じることは、素晴らしいことに感じるかもしれません。
しかし、それが日常的なことになってしまうと、自分自身の心身の健康を害したり、場合によっては周囲の人がプレッシャーを感じてストレスを感じたり、そのスキーマを子供が受け継ぐことで、ストレスやプレッシャーを感じやすくなってしまいます。
時には自己犠牲の精神を発揮することも良いでしょうが、自分自身を満足させ、幸せにしてあげることも、自分と周囲の人たちの幸せには必要なことなのです。
幸せの段階を意識した自己犠牲の感覚が大切です。
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