フォーカシング

フォーカシングとは言葉にならないけど、確かに存在する経験(体験過程)に言葉やイメージを与えることにより、自分自身で認識し、取り扱えるようするためのワークです。

    1. 体の内側に注意を向けましょう
      まず手、足、椅子に触れている部分など外側から感じて見ましょう
      次に、喉、胸、お腹など体の内側に注意を向け、ゆっくりと感じてみます(温かい、冷たい、重い、軽い、こっているなど)
    2. 気になる感じを見つける
      いまの体の感じはどうか、または、ある問題についてどんな風に感じているのか、自分自身に問いかけて、少し待ってみます。
      ここで体で感じられる微妙な感覚を「フェルトセンス」といいます。言葉やイメージになる以前の感覚、あるいはこれまで注意を向けてこなかった感覚です。
      (なんだか胸がモヤモヤしている、喉の通りが悪い感じがある、肩に硬い感じがある、胸がギュっとなるなど)「フェルトセンスの4つの側面」
      体の感じ、感情、生活との関連やストーリー、イメージや象徴的表現
    3. みつかった「感じ」や気持ち、「考え」など、ともかく、そこに出てきたものを認めましょう
      ただ、そこに「そんな感じがある」とわかるだけでよいのです。
      その感じをしっかりと受け止めたり、理解する必要はありません。その感覚に出会ったら、「こんにちは」と挨拶をしてあげましょう。
    4. その感じにぴったりの表現を見つける
      言葉(単語、文)イメージ、あるいは動作で、その感じや気持ちを表現してみましょう。
      ここで描写されたぴったりな表現をハンドルといいます。表現されたものは感じているものや気持ちそのものではありません。
      どんな風に表現しても、その体験そのものを正確に描写することはできないのです。しかし、その表現を手がかりに、もとの感じ「体験」そのものを再現することはできるのです。
      体験の入った入れ物にラベルをつけるという作業です。
    5. 表現と体の実感を比べてみる
      出てきた言葉やイメージをつぶやいてみて、それで、もとの感覚全体が感じられるかどうか体で確かめてみます。
      ぴったりの場合は「ほっとする」「少し楽になる」など体で感じられることがあります。あるいは「納得できる確からしさ」が感じられるかもしれません。
      もし、この段階で、気持ちや感覚に変化があれば、また、ぴったりの表現が出てくるのを待ちます。共鳴と呼ばれる作業です。
    6. その体験とゆっくりと付き合う
      出てきた感覚とつきあっても良いかどうか確かめます。
      何か出てきても、今ここでは触れたくない、見たくないという場合は、「いまは触れたくないという感覚を大事にして、いまそんな感じがあるということだけをわかって終わりにするか、あるいは別の感覚に触れていきます。出てきた感じとつきあってもよさそうな場合は、優しく、かつ好奇心を持った態度でその感じを味わいます。
      感覚そのものにどっぷりと浸ってしまうのではなく、そばにいる、共にいるという感覚を大事にします。
      その感じに、次のように問いかけることで進展が見られることがあります。
      ☆その感じ方(向こう)としてはどんな気持ち、感じなんだろう
      ☆私の感じではなく、その感じ自体の言い分を聞いてみます。
      ☆フェルトセンスも自分の一部ですが、対象化、擬人化して、向こう側の立場、観点になって見ます。
      「きりきりする感じが怒っているみたい」など
      ☆それは何を必要としているんだろう
      ☆それは何がイヤなんだろう
      ☆それはどうなったら良いんだろうこういった質問で、何か新しいものが出てきたら、それをまた認め、「わかったよ」とそれに伝えます。
    7. 終わりにする
      出てきた感じに付き合い、味わった後、もう終わりにしてよいかどうか体にたずねます。
      フォーカシング中に出てきた言葉やイメージを覚えておき、感じた部分に「また来るからね」と挨拶をして終わりにします。

丁寧な終わり方は、その回のフォーカシングの収まりをよくするためにも、また次にフォーカシングする際に付き合いやすくするためにも大切です。

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