防衛機制とその機能

防衛機制とは「心の安定をはかるための自我による無意識的な防衛」です。防衛機制には、抑圧、昇華、投影、退行など様々なものがありますが自分を守るために無意識のうちに行われます。

自分で理解できないような感情や衝動が起こるのは、防衛機制によって無意識のうちに行っている心の操作の副作用かもしれません。どんなものがあるのかを理解し対策を考えていきましょう。

昇華

非社会的な欲求や衝動を現実の世界で認められる芸術やスポーツなどの高次の価値を実現することで発散すること

思春期に体の奥から突き上げる性的欲求を抑えられなくなってしまうような経験を多くの人がしていることでしょう。 しかし、そうした衝動を直接行動に移してしまうと問題になって時には犯罪に繋がってしまうこともあるでしょう。そんな時、その衝動をエネルギーの1つと考え、社会的、道徳的に認められた活動へ、そのエネルギーを使って消費することを昇華といいます簡単に言えば性への衝動のエネルギーを運動をすることで消費したりすることです。

昇華

注意点

昇華という防衛規制はとても有効で、上手に行えば自分を向上させたり、成長することに役立ちます。ただ無意識のうちに行われている場合は注意が必要です。

衝動があまりにも強く、それを認めない(抑圧、否認)まま行うと、エネルギーをうまく消費できず衝動を抑えきれなくなって異常な行動行動や思考にとらわれてしまうことがあるからです。

補償・昇華について

性への衝動など人に言いにくいような衝動を感じるような場合に、それを抑圧・否認してしまうことは、あまり良い結果をもたらしません。怒り・憎しみ・性への衝動・・・一般に感じてはいけないと思われがちなこうした感情や衝動は全てエネルギーです。人間が生きていくために必要なエネルギーを産み出すための感情や衝動です。感じること自体はとても大切で必要なことです。

こうした感情を認め、受け入れ、昇華していくことで、より人間的な成長や向上を得られるのだということを覚えておきましょう。