スキーマの埋め合わせと回避を明確にしよう

人は技能や能力を努力して身につける事で劣等感を埋め合わせしています。(スキーマの埋め合わせ)

スキーマ(例) 埋め合わせ行動
弱弱しい、男らしくない  ⇒ ボディ・ビルディング
無力である  ⇒ 攻撃的な態度をとる、関係にしがみつく
失敗した・並である・特別でない  ⇒ 貯蓄への執着
魅力がない・愛されない  ⇒ 魅力的であろうとする

また、特定のスキーマが活性化されるような状況を避けることがスキーマの回避です。

スキーマ(例) 回避行動
自分はダメな人間だ  ⇒ 自信のあることしか挑戦しない
自分は愛されない  ⇒ 他者へと踏み込むことを避ける

スキーマの活性化を恐れることで、そのスキーマを強化させる状況や対人関係を選択してしまうケースも少なくありません。
(状況や関係性がスキーマを通してみた方がシックリくるためやスキーマを通してみた経験の繰り返しがあるため安心感を感じてしまうため)

練習方法

  1. 「スキーマの埋め合わせと回避を明確にしよう」を利用して代表的なスキーマについて該当するものを考えてみましょう。
  2. 1以外で自分や他人に対して貼り付けているネガティブなレッテルを書き出してみましょう。
  3. 1,2のネガティブなレッテルを埋め合わせをしたり、回避しようとして行っている事はありませんか?認知行動療法-スキーマの回避や埋め合せの仕方を確認しよう
以下の事について考えてみてください
  • 動揺してしまうのは、どんな状況ですか?
  • どのようにしてそのような状況を避けていますか?
  • そのような状況を避けるためにしていることは何ですか?
  • 自分のスキーマ(認めたくないこと)を埋合せるためにどんななことをしていますか?
  • 自分に起きた多くのネガティブな出来事の何割かが、自分自身のスキーマに関係しているかもしれないと言う事について検討してみてください。
  • 今とは違うスキーマを持っていたら、これまで行ってきた色々な選択が変わったのではありませんか?
  • スキーマの回避や埋め合わせが悪循環を引き起こし、状況を悪化させているのではありませんか?
  • 「自分はあまりにも平凡だ」と信じている人→自分の平凡さが明らかにならないためにどのような行動をとっていますか?
  • 「私は無力で、自分の面倒すら見ることができない」と信じている人→どのようにして、他の人たちに面倒を見てもらおうとしているのですか?
    そして、そのことを他人にどんな風に約束してもらって、自分を安心させようとしているのですか?
  • 「自分は無能だ」と信じている人→避けているのは、どのような行動や挑戦ですか?

長い間、習慣的なパターンとして機能してきたスキーマは心の奥深く根付いています。そのため自分の行動が埋合せや回避であると認められないこともあります。自分の行動は理にかなっていて当然だと感じるのです。

以下の事について考えてみて下さい
  • スキーマと出来事の関連について検討してみましょう。
  • 別のスキーマを持っていた場合の可能性や選択について検討してみましょう。
  • スキーマの活性化や回避や埋合せについて第3者と話し、なぜ言動の違いが生まれるのかを検討してみてください。
  • 問題になっている言動の引き金になっているものを明確にし、その引き金の意味や存在について見直してみましょう。