苦しみを生む自動思考

自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

自己関連づけ

ネガティブな出来事の責任は全て自分にあると過度に考えて、他の人たちや他の物事の責任や原因を考慮にいれないこと。

自己関連づけの例
  • 結婚生活がダメになったのは、私がちゃんとしなかったからだわ
  • 私が通りかかったとき、2人が笑いながら歩いていた。私の悪口を言っていたのだろう

自己関連付け

この思考パターンが強い人は自分に関係ない出来事であっても、それが自分自身に直接関係しているかのように判断してしまいます。出来事がうまくいかなかった原因を全て自分のせいと考えてしまったり、自分に関係がない出来事を全て自分に結びつけて考えてしまって身動きが取れなくなってしまいます。

何かうまくいかなかったとして、その原因は色々あるものですが、タイミング・条件・環境・やり方など色々な原因を考慮しないで全て自分のせいだと考えたり、通りがかった時に人が笑っていると「自分の事を笑っているのではないか」と自分が辛くなるような出来事と結び付けてしまうからです。

こうした傾向が強い人は・・

円グラフ法をつかって、その出来事がうまくいかなかった原因を分析したり、非機能的思考記録表を使って、その時のとらえ方と別のとらえ方がないかを探す練習をすると良いでしょう。

この思考が強い人は絶えず周りから非難されているように感じたり、あらゆる失敗の原因が自分にあると考えてしまうため、落ち込み方が激しかったりプレッシャーから何かに取り組む気持ちが持てなくなってしまいます。いき過ぎると、自分の人格や存在自体を否定することになり生きていくのがとても辛くなってしまいます。