階段を1段づつ
話が苦手だという人の多くはコミュニケーションのなかで一番高度なスキル「読み取る」を最初にしてしまう傾向があります。
十分に聞く、十分に理解する、十分に観察する、十分に考える、十分に話すという、その前に身につけるべきスキルを使いこなせないのに「読み取る」という一番難易度の高いスキルに挑戦してしまうと、読み取ることも、聞くこと、理解すること、観察すること、考えること、話すことすべてが不十分になってしまうので円滑なコミュニケーションが取れなくなってしまいます。
例えば相手の話を聞くことよりも「私の話なんてつまんないだろうなぁ」「嫌われてしまったかも」「怒ってるのかなぁ」など、相手の表情や雰囲気を読んで相手の気持ちを読み取ろうとしてしまいます。「口調が強くなった」「キツイ言葉だった」「目が強かった」など、色々な態度から相手の心の状態や考えを読み取ろうとするのですが、基礎的な聞く、理解する、観察する、考える、話すというスキルが不足しているので、心の状態や考えを「読み取る」ことに集中できない上、「読み取る」スキルが身についていないので思い込みに基づいた間違った読み取りをしてしまうことになります。
読み取ったことのほとんど(8割から9割以上)が間違っているとしたら、それに従って考え行動することで相手が不快な思いをしてしまう可能性はとても高くなってしまいます。そして、そのせいで実際に人間関係は悪化してしまいます。
一歩ずつが一番早い!!
「コミュニケーションが苦手だ」と感じている人は最も高度なコミュニケーションスキル「読み取る」をしないで、まずは聞く、理解する、観察する、考える、話すという基礎スキルをひとつずつシッカリとに身につけていきましょう。
①聞く ②理解する ③観察する ④考える ⑤話す ⑥読み取るというステップのうち、まずは、①、②に集中しましょう。③以上のステップについては意識しないようにしましょう。①、②ができればコミュニケーションとしては十分に成立します。まずは相手の話を聞いて理解することに集中しましょう。
①、②が上手になって意識しなくてもできるようになったら③、④、⑤というステップに、順次取り組んで行きましょう。そしてそれらが身についた後、さらに高度なコミュニケーションを身につけたい方はノンバーバルコミュニケーションについて学んで「読み取る」というスキルを向上していくようにしてください。
(仕草などのノンバーバルについてはコミュニケーションスキル応用編でお伝えします)