コンピュータを使ったカウンセリング
認知行動療法の現場でコンピューターが導入され始めています。
例えばコンピューターを使って認知行動療法を行うComputerized Cognitive Behavior Therapy(CCBT)があります。
また、コンピューターを使って仮想現実を作り出して、エクスポージャー法(暴露法)を行うVRET(Virtual Reality Exposure Terapy)なども行われ始めています。
ただし、日本では、まだ医療用としては臨床応用も保険適用もされていません。
また、VRETは高所恐怖、飛行機恐怖、雷恐怖、蜘蛛恐怖、PTSDなどに効果があること証明されていて、東京サイバークリニックというVRエクスポージャー専門のクリニックが開設されています。
CCBTについて
1980年代からCBTに基づくプログラムが開発され始め、高い効果が期待できるようになってきました。
そして、Fear Fighterというプログラムはイギリスで大規模に利用されてます。このプログラムはインターネットを介して利用できるプログラムもあります。
また、自殺企図のないうつ病のためのBalanceというプログラムや、その電話音声自動応答システム(IVR)を利用した強迫性障害の治療用のBT STEPSというプログラムなどもあるようです。
日本では論理情動療法に基づくCCBTプログラムがあり、そのプログラムの不安低減効果が確認されています。
また、認知療法に基づくプログラムも開発されていて、抑うつと不安の両者の低減効果も確認されています。
また、広場恐怖をともなうパニック障害をターゲットとしたCCBTも開発されているとのことです。
このようなCCBTプログラムを用いことでカウンセリングに必要な時間を少なくすることができるため費用が安くなる上、問題解決までの時間も短縮できます。
VRETについて
VRETは、ヘッドマウント型の液晶画面をつけて、頭を向けた方向360度見ることができる仮想現実の中で、エクスポージャー法が実施できる技術です。
この技術を用いることで、現実場面に近いエクスポージャーをカウンセリングルームでは行えます。
高所恐怖や飛行機恐怖、閉所恐怖、社会恐怖、蜘蛛恐怖、広場恐怖、PTSD、及び過食のボディーイメージ障害のためのプログラムなど、色々なプログラムが開発され、その効果が実証されています。
まだまだ日本では一般的ではありませんが、東京サイバークリニックではVRETを実施しています。
このVRETを用いると、イメージすることが困難な相談者でもエクスポージャーを実施することができる上、イメージを使ったエクスポージャーより現実感があるので、より短期間でより効果的なエクスポージャーを実施することができるのです。