リラクセーションのための呼吸法(腹式呼吸)
呼吸法は大きく分けて、
- 胸式呼吸
肋骨を広げたり閉じたりします。 - 腹式呼吸
腹を出したり引っ込めたりすることで横隔膜を上下させます。
胸式呼吸より腹式呼吸の方がリラッックスや脳の活性化には効果が高いと言われています。
腹式呼吸をすることで脳波がリラックスしたα波やθ波が増加することがわかっています。
腹式呼吸のメリット
- 酸素の交換効率が向上
頭がすっきり、気分を改善能力の向上 - リラックス能力の向上
吐く息のコントロールが上手になってくるに従って、体を落ち着かせてくれる副交感神経の働きを活性化する能力が高くなっていきますので、気分を落ち着かせたり、リラックスする能力が向上します。 - 内臓の適度なマッサージ
腹式呼吸をすることで内臓を適度にマッサージすることになり、内臓の血流が良くなることで副交感神経が強く働き、さらに深いリラックスを得られるようになっていきます。
腹式呼吸のポイント
- お腹の筋肉を使って横隔膜を動かしていきましょう。
腹を出したり、引っ込めたりさせることで横隔膜を上下させ、空気を吸い込んだり吐いたりします。
「鼻から吸って」「口から吐く」が基本で効果も高いですが、やりにくい人は「鼻で吸って鼻から吐く」というやり方でも大丈夫です。「口から吸って口から吐く」という呼吸法を「口呼吸」と言いますが口呼吸は精神不安定にしたり、判断力低下させるといわれています。 - 吐くことから始めていきましょう
。
吸うより先に「吐く」を先におこないましょう。 大切にしてほしいポイントは「ゆっくり」「しっかり」と吐き切ることです。体内に新しい空気を取り込むためには、肺の中にある空気をしっかりと出し切る必要があるのですが、胸式呼吸だと肺の中の空気をしっかりと吐き切るのが難しいのです。
胸式呼吸が習慣になっている人はしっかりと肺の中の空気を吐き切ることがうまくできませんので、腹式呼吸を練習するときは、最初に空気を吐き切ることをしっかりと練習してください。 - 慣れるまで継続しましょう。
これまで腹式呼吸をしてこなかった人は、最初少し「息苦しく」感じるかもしれません。しかし、胸式呼吸と腹式呼吸では呼吸に使う筋肉が異なりますので、腹式呼吸をするために必要な「呼吸筋」が強くなってくるまでは地道に練習を続けてください。これまで右利きだった人が急に左手を使う練習をするようなものですから、最初は「難しい」「大変だ」と感じる人もいるでしょうが、腹式呼吸が出来るようになることで、リラクセーション能力が格段に高くなりますので、地道に練習をしていきましょう。
まずは、「腹しっかりとをへこませながらゆっくりと丁寧に息を吐ききり、腹を膨らませながらたっぷりと空気を吸う」ことを意識して練習してください。
具体的な練習方法
- 姿勢を整えましょう。
立って行ったり、座って行う場合は背筋をまっすぐ伸ばして顎を引き付けましょう。
頭のてっぺんをクレーンで真上に引っ張り上げているようなイメージです。寝転んで行う場合は仰向けになって、ゆったりとした姿勢で行いましょう。体を締め付けるベルトやネクタイ、眼鏡や腕時計なども外した方が良いでしょう。 - 腹をへこませながら、口でゆっくり息を吐ききっていきましょう。
口を大きく開けて「ハーッ」と息を吐き出しましょう。
続いて口をすぼめて「フッフッフッ」と小さく息を何度か吐きましょう。
最後にそのまま少し長めに「フー」と空気を出し切りましょう。腹をへこませながら、できるだけゆっくりと「ハー、フッフッフッ、フー」と息を吐ききっていきましょう。
息を吐ききったらお腹をふくらませながら鼻からゆっくり息を吸いましょう。
1日5回ぐらいの呼吸数ら始めて、気持ち良く呼吸できる呼吸数を少しずつ伸ばしていきましょう。
その日の体調に合わせて、無理なく心地よさを感じながら楽しくやっていきましょう。
お腹を意識しづらい方は、慣れるまでお腹に手を置いたり、少し重めの本などをお腹の上に置いて行うとお腹の動きを意識しやすいでしょう。
呼吸の長さは「吐く:吸う=2:1」を目安にして行ってみましょう。
4秒で吐き、2秒で吸うぐらいから始めてみると良いでしょう。慣れてきたら吐く息の長さを少しずつしていきましょう。
腹式呼吸法では、特に「ゆっくり吐くこと」が重要視されます。
毎日10~20分程度おこなましょう。寝る前のベッドの中やお風呂で行うと寝つきも良くなります。