防衛機制とその機能

防衛機制とは「心の安定をはかるための自我による無意識的な防衛」です。防衛機制には、抑圧、昇華、投影、退行など様々なものがありますが自分を守るために無意識のうちに行われます。

自分で理解できないような感情や衝動が起こるのは、防衛機制によって無意識のうちに行っている心の操作の副作用かもしれません。どんなものがあるのかを理解し対策を考えていきましょう。

打消し

禁じられた行為や情動が生じた時、それを否定し無効にするような動作をすること

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打ち消しの場合は、その時々の行為や感情に対する単独の情動として生じます。打ち消しには2種類あります。

    • ある感情を伴った行為が不意に生じてその感情が容認できない場合、これと正反対の行為をすることによってこれを打ち消す場合の「つぐない」の行為
      自分の行為が意地悪だったと感じ、それを償うために後から機嫌をとる。
    • ある行為に良くない感情が潜んでいたと感じた時、その行為を再び意識的に情動を排して繰り返す場合の「やり直し」の行為
      好奇心からドアを開けて部屋をのぞきみた人物が、すぐその後でもっともな用事を思い出して再びドアを開け直す。

復元・打消し

反動形成も正反対の感情や行動をとろうとしますが、反動形成の場合個人の態度全体が本能衝動や感情と正反対の形をとります。

この傾向が強すぎる人は・・

人には様々な感情があります。怒り、嫉み、妬み、欲情・・・「こんな感情は感じるべきではない・・」といった常識的な判断でそうした感情を抑え込もうとすると、その感情はさらに強いものになって、やがては自分の力では抑え込めなくなって爆発してしまいます。

人間には不必要な感情はありません。全ての感情は心の奥からの自分の本心を伝えるメッセージなのです。出てきた感情をむやみに抑え込むのではなく、そうした感情があることを認めたうえで自分がどう振る舞いたいのかを選ぶことが大切です。自分には「顕在意識の自分」と「潜在意識の自分」の二人がいて、その二人が折り合いをつけながら認め合うことが大切であると考えてみてください。

行為の選択

行為の選択

もともと人間は矛盾した存在です。自分の嫌いな部分を抑え込んでないことにするのではなく嫌いな部分があると認めたうえで、自分が望ましいと思える行動の選択ができる確率が上がるように取り組んでいきましょう。

望ましい行動をとれる自分と望まないことをしてしまう自分の差はホンノわずかな差しかないということを知っておいてください。