何もしないことが説得効果をUPする

誠意を尽くして頑張って、できることはすべてやったのに話が全く進展しない・・・そんなときは、しばらくの間「何もしない」という方法が有効かもしれません。説得の成果がすぐに表れない場合があるからです。そんな時は1週間、2週間と時間が経つうちに徐々に効果が表れてきます。「スリーパー効果」と呼ばれる現象です。

人の話を聞くとき相手の仕草や表情、先入観、思い込み、対人感情などを通して説得の内容を聞いています。時間が経つとそうしたものから離れ、説得の時の話の内容を「純粋な情報」として受け止め始めることができるようになっていきます。そのことで説得の時の話の内容についての理解が次第に進んでいくことがあるのです。

説得が進まない時はしばらくの間「何もしない」で相手の理解が進むまで放っておくという選択も考えてみると良いでしょう。焦って次々と情報を持ち込んだりしていると対人関係が悪化したり、余計な先入観が返って強化されてしまって、余計に説得の内容の理解が進まなくなってしまいます。「スリーパー効果」が表れ始めるまでじっくりと待って、再度説得を開始しすることを考えましょう。

ポイント

スリーパー効果が表れるまでの期間は1週間~1ヶ月といわれています。

 

寝起きの女性

ただし説得の内容が中途半端になっていた場合は「スリーパー効果」は表れにくいということを覚えておいてください。相手の理解を邪魔する様々なものがなくなったとしても、情報理解するための十分な情報がなければ理解しようがないからです。全く話に乗ってこない相手でも、伝える必要のあることは十分に伝えておくことが大切だということです。

説得の成否には、やはり人間関係の状態が大きく影響を与えるものです。説得の内容を理解できても「この人の考えを受け入れるのは嫌だ」と相手が思ってしまっては説得がうまくいくはずがありません。普段から相手の良いところを探す癖をつけ、相手に対する敬意や好意を持てるようなっておきましょう。そして相手に対する心からの好意をできるだけハッキリと伝えておくことも忘れないでください。思いもかけない進展につながるかもしれません。