伝えながら聞こう

コミュニケーションが苦手だという方の多くは「うまく話せないんです」と言われます。しかしコミュニケーションを円滑で良好なものにするために重要なことは、「うまく話す」<「うまく聞く」です。人には「自分のことをわかってほしい」「自分の考えを聞いて受け入れてほしい」という他者からの承認欲求があるからです。

相手の話を「うまく聞く」ことができるようになると、相手はその承認欲求が満たされて気分が良くなります。人は一緒にいて気分が良かった人を好きになる傾向があり、好きな人に対しては「知りたい」「理解したい」という親和欲求が生まれてるため、相手の話を「うまく聞く」ことで相互に理解し合おうとする雰囲気が出来上がるので話しやすくなります。つまり「聞く」ことでコミュニケーションが円滑で良好なものになっていくのです。

上手に聞くために

「上手に聞く」にはどうしたらよいのでしょうか? そのためには相手が「気持ち良く話す」ことができる雰囲気を作り出すことが大切です。

上手に聞くためのポイント
  1. この人は私のことを理解しよう(受け入れよう)としてくれている
  2. この人は私のことを好意的に思ってくれている
  3. この人は私に好意、敬意を持ってくれている

などの感覚を相手に抱いてもらう必要があるのですが、毎回1〜3のメッセージを言葉にして伝えることは難しそうですし、言葉に言葉できても「わざとらしい」「ご機嫌取りだね」と受け取られてしまうリスクがつきまといます。特に日本人は褒め言葉や好意的な言葉を積極的に受け取ろうとする人が少ないため、大切な気持ちを言葉で伝えることが難しいのです。

潜在意識にメッセージを送り込む

相手に「なんとなく」1〜3の感覚を感じてもらうためには、相手の潜在意識にダイレクトに働きかける方法が有効です。

健在意識に見つりにくく潜在意識に影響を与えやすいノンバーバル・メッセージを意識したコミュニケーションを心がけましょう。「体は相手の方に向けていますか?」「楽しそうな顔をしていますか?」「相手の話のちゃんとうなづいていますか?」・・詳しくは応用編でご紹介しますが、人は姿勢、表情、体の向きなど、様々なノンバーバルで相手にメッセージを送りながらコミュニケーションをしています。

会話が噛み合わない

伝えたいノンバーバル・メッセージ

  • 会話のペースに合わせて相槌を打つ
  • 相槌に抑揚がある
  • 体が相手の方を向いている
  • 相手の得意な側から話しかけている
  • 表情が優しい、笑顔など
  • 体が相手の方へ傾いている など

伝えたくないノンバーバル・メッセージ

  • 相手のペースと相槌がずれている
  • 体や足が相手に向いていない
  • 相槌に抑揚がない
  • 相手の苦手な側から話しかけている
  • 顔が不機嫌そう、表情がないなど
  • 体が相手と反対側に反っている など

まとめ

相手への興味や敬意を示すノンバーバルはたくさんありますが、知らない間に相手に不敬や嫌悪、侮蔑、恐怖を表すメッセージをノンバーバルで送ってしまっていることも珍しくありません。まずは相手に1〜3メッセージを基本的なノンバーバルを使って伝えながら聞くことができるようになっていきましょう。