認知行動療法を始める前に

認知行動療法に取り組む前に最初に伝えておかなければならないことがあります。
それは認知行動療法は「スキルである」ということです。

野球のバッティングやバスケットボールのシュートと同じように何度も何度も練習することで気分を快適に導いたり、快適に導く確率を高めたり、快適である時間を長くするためのスキルなのです。

ポイント練習したから必ず気分が100%快適になるわけではなく、ずっと快適でいられるようになれるわけではありません。

野球のバッターが何度も何度もバッティングの練習をしても10割打てる打者がいないのと同じことです。

ただし、スキルですから繰り返し練習すれば上手になりますし、上手になれば快適な気分でいられる時間も長くなっていきます。
また、人は使った感覚が強くなっていきますから、心の状態を快適な導くのが上手になって、快適な状態が長く続くようになると、その感覚はより強くなって行くので、より快適な感覚になって、それを維持することがたやすくなっていきます。

認知行動療法の習得まで

認知行動療法の習得まで

認知行動療法に取り組み、スキルとして習得することで自分を快適な感覚に導き、維持することが上手になっていくのですが、そうした好循環に入るまでには

  • スキルに対する取り組みの負担を受け入れること
  • スキルを習得するための時間が必要なこと

を受け入れる必要があります。

スキルと不快の軽減

スキルと不快の軽減

効果の実感とスキルを習得するための負担が逆転するまで、それらを受け入れながらスキルの習得に励む必要があるのです。

そのためには認知行動療法に取り組むことの価値をまず、十分に理解しいつでも確認できるように明文化しておくことが役に立つでしょう。