「敬意を払う」というアクティベーションスキル2

どれだけ謙遜している人でも人はみな「自分を大切に扱って欲しい」と思っているものです。大切に扱われると嬉しくて気持ちも高まります。そして「敬意を払う」というのは「私は貴方を大切に思っていますよ」と伝える態度です。

人はお互いに影響を与え合って生きていますから、相手がフルネスに傾くと自分の心の状態もフルネスに傾いていきます。ここで注意してほしいことは、「敬意を払う」という態度が形だけでは意味がないということです。心の中で敬意を払わず態度だけ敬意を払っているように見せても、自分の心がアンフルネスに傾いてしまうからです。

「敬意」というのは心の状態のことですから、「この人は自分にとって敬意を払うに値するか?」「この人に敬意を払った方が得をするか?」などの理由から敬意を払おうとしても、敬意を持っていないという自分の心の状態は変えることができないので、自分の心の状態と自分の態度の間に矛盾が起きて、結局心はアンフルネスに陥ってしまいます。

敬意を払うというアクティベーションスキル

相手に敬意を払う方法

前回はリフレーミングをつかって敬意を払う方法を解説しましたが、今回は「部分と全体を分けて敬意を払う」という方法についてご説明します。

部分と全体を分けて敬意を払う(人格と行動、態度をわける)

相手に敬意を持てない原因として、その人の一部の言動をその人全体の評価としてしまう癖があります。

例えば、これまでずっと物静かで温厚だった人が運の悪さや過程での不和など辛い状況が続いてイライラしてツイツイキツイ口調で怒鳴ってしまったら、「やっぱり温厚なのはたて前で腹の中でいつも私にイライラしていたんだ」といった具合に、1つの出来事に対する評価をその人全体の評価として考えてしまうのです。

人の心身の状態は日々刻々と変化しています。機嫌の良い日もあれば悪い日もありますし、何をやってもうまく行くときもあれば、反対に何をやっても裏目に出てしまうこともあります。そして人は誰にでも欠点があり、誰でも失敗はするのです。その度に、その人全体の評価が変わってしまうのであれば「尊敬できる人」はこの世に存在しなくなってしまうのでしょう。

全体と部分を分けて考える

「尊敬できる人」がいないのであれば、その人の「尊敬できない部分」を見つけた時、「尊敬できる部分」を帳消しにして、「尊敬できない部分」をその人の評価全体に当てはめてしまっている可能性があります。完璧な人はいませんから当然尊敬できる人は存在しなくなってしまいます。そんな人は部分と全体を分けてとらえるスキルを身につけて、敬意をもって相手と接することができるようになっていきましょう。

相手に対して敬意を払うアクティベーションスキルが向上すると、どんな相手からも学ぶことができるようになっていきます。スポーツ、勉強、仕事など、どんなに、技術的に自分より劣る相手に対しても、相手の長所に目を向けて接することができれば、心の状態はフルネス傾きエネルギーが生まれます。「敬意を払う」というアクティベーションスキルを向上させていきましょう。