ワーク4:「力になってくれる人や機関を整理しよう」
自分が困った時に相談したり助けてくれる人や機関を整理してみましょう。
人や機関に頼ること、助けてもらうことを情けないこと感じてしまう人もいらっしゃいますが、
- 誰か(機関)を相談したりアドバイスをもらう
- 誰か(機関)を頼る・助けを求める
という行動は、イザという時に生き延びるための大切な「スキル」です。
認知行動療法では自分を助けるスキルを磨くものですが、1、2も大切なスキルなのです。
長い人生を生き抜いていく上で問題やトラブルは必ず起こるものです。
中には自分一人の力では到底乗越えられないものもあるはずです。
そんな時に自分一人の力でなんとかしようとしても問題が解決するわけではなく、場合によっては問題がさらに大きくなってしまうことも少なくないのです。
そんな時は誰かに助けを求め、人の力を借りて乗り越えていくために必要なスキルが必要です。
まずは本当に困った時に「力になってくれる人や機関」を整理することから始めましょう。
もし、
- 自分を助けてくる人なんかいない
- 誰にも迷惑をかけたくない
- 私は助けられる価値がない人間だ
- そんな人(機関)があればとっくに助けを求めているよ
そんな風に考えてしまうなら次のことを考えてみてください。
- 今の自分は完成されたものではなく、様々な取り組みによって変わるものです。
今の自分が当たり前だと思っていることもこれからご紹介する様々なワークに取り組むことで「違う考え方や感じ方があるかもしれない」と思えるようになってきます。 - ここで行うことは「できること」とその「可能性」について考えることです。
これができなければ「生きづらさ」を解消できないということではありません。
普段は意識にのぼっていない「力になってくれる人や機関」を改めて探してみることが目的だと考えてみてください。
作業
困った時に「力になってくれる人や機関」はあるでしょうか?
- 話を聞いてくれる
- お金を貸してくれる
- 調べてくれる
- 人を紹介してくれる etc
など問題の軽減、解消に手助けしてくれそうな人や機関を書き出してみましょう。
手助けしてくれそうな人の例
人 |
目的 |
注意点 |
Aさん | 話を聞いてくれる | 知り合い |
Bさん | アドバイスをくれる | 大学時代の先輩 |
Cさん | 顔が広く人を紹介してくれる | 町内会の会長 |
Dさん | 親身になってくれる | 本当に良い人なのであまり迷惑をかけたくない。 |
手助けしてくれそうな機関の例
機関 |
目的 |
注意点 |
A相談センター | 心理面の相談員がいる | 電話がつながりにくい |
猫カフェA | のんびりした雰囲気になる | あまり長い時間はいられない |
Bメンタルクリニック | 薬の処方と簡易カウンセリング | 待ち時間が長い |
○○サークル | みんな親切にしてくれる | 気の合わないGさんがいることがある |
ワーク4をしてみてどうでしたか?考えて書き出しているうちに「あんな人もいた」「あんな機関があった」と思い出した人も多いのではないでしょうか?
インターネットで調べてみたり、フェイスブックのお友達をみたり、同窓会の名簿を引っ張り出してきたりしてみながら行ったりすると忘れていた、あるいは知らなかった人や機関を書き出すことができるかもしれません。
相談するのが苦手な人へ
- 1回で諦めないでください。
誰かに相談してもあまり成果が出ないことがあります。
そんな時でも「無駄だ」と諦めずに別の人や機関に相談してみましょう。
4人目に相談した人が良い方法を提案してくれたということもめずらしくありません。 - 話すのが苦手だと思っている人は「困っていること」「何をして欲しいのか」などをあらかじめリストにして書き出しておきましょう。
- 書き出した困っていることのうちどれから相談するかを決めて1つか2つぐらいに項目を絞り込みましょう。
- 相談に乗ってもらう時間の長さをある程度決めておきましょう。
1時間までなど - 効果や成果がでなくても悩みを分かち合える人がいたという事実に目を向けましょう。
- 効果や成果がでなくても「助けを求めた自分」の行動力に目を向けましょう。
- お礼は問題が解決してからでもかまいません。
相談することをすすめると「今の私にはお礼もできない。だから助けてもらうなんてできない」と考え、相談することをためらう人がいます。
しかし、問題が解決して余裕ができてから、あるいは心身が回復してから改めてお礼をしても良いのです。
お礼できる状態になるために相談に行くことを考えてみましょう。 - 身の回りに相談できる人がいない人は、公的機関をりようすることを考えましょう。
市役所、交番、公立病院、地域の保健所、保健福祉センター、ハローワーク、福祉事務所など公的機関に相談することで、その問題に対応できる別の機関を紹介してもらえることも少なくありません。