主張主張行動と聞くと「不安」を感じる人も多いかもしれません。
自分の意見を「主張」すると、
相手との人間関係を悪化させてしまうかもしれない
と思うからでしょう。
しかし、主張行動というのは、相手を攻撃や否定しないで言いたいこと相手に伝えることで、人間関係を公平に保ち、長期間続く人間関係を作るための行動です。
行動 |
主張行動 |
非主張的行動 |
攻撃的行動 |
自分 |
○ |
× |
○ |
他人 |
○ |
○ |
× |
例)家庭の用事で急いで帰りたい時に残業を頼まれた |
わかりました。ぜひお手伝いしたいのですが、今日は子供が熱を出していて、早く帰らなくてはいけないのです。次回はお手伝いさせていただきますので、今日は他の人に別の人で頼んでください。 |
はい、わかりました。 |
こっちの都合も考えずに・・なんて嫌な上司だ。 |
主張行動のタイプ
- 当然の権利を要求する
- 不正や権利の侵害に講義する
- 責任のない要求を断る
- 率直に感情・意見を表出する
- 要求する・リクエストする
主張行動のスキル訓練
STEP1
ロールプレイをしてみて、主張的言動のレパートリーのバリエーションをチェックしてみましょう。
STEP2
ロールプレイでのやり取りを振り返りましょう。
より状況に即した、より適切な表現を検討したり、声の調子、間のとり方、セリフ、言い回し、伝え方(ノンバーバル)などを検討します。
STEP3
STEP2を反映させてロールプレイを行います。
STEP4
STEP2〜STEP3を繰り返しましょう。
※ロールプレイとは、場面や状況を設定して模擬で行ってみる事を言います。
ロールプレイの相手がいない場合は、STEP1〜STEP4をイメージを使って行ってみても良いでしょう。
主張行動のレパートリーが不足していることが分かった時は、支援者(カウンセラーなど)と一緒に、様々な言動を検討してシナリオを作って、シナリオに沿って繰り返し練習をしましょう。
緊張や不安が強い場合はリラクセーションスキルの練習に取り組みながら行います。
緊張や不安が強烈で、取り組みが進まない場合は、リラクセーションスキルの習得を先行させると良いでしょう。
主張行動が苦手な人は、周囲の人が自分の考えや意見を
- どのような言葉で
- どのような言い方で
- どのようなノンバーバルを使って
対処しているかを観察して、それを参考にしたり、真似をすることを苦手な人が多いようです。
「自分の感情や思考」、「相手の反応」ばかりに目が向いているのかもしれません。
日常生活状況の中で参考にできるモデルを見つけ出しモデリング(丁寧に観察し、真似てみる)してみましょう。
主張行動をとる事がどうしても怖い人は・・
主張行動をとることでひどい目に遭うことを恐れていたり、主張行動をとる良くないと強く感じる場合は、
- 不安階層表(不安な場面のレベル付け)を作成して、不安レベルの低いものから順に対処の練習して、不安を徐々に弱めるトレーニングをしましょう。
- 周囲で主張行動をとれる人を見つけ、「どうして、その人は主張行動をとっても許されるのに、自分が主張行動をとるのが良くないのか」、「そこにどのようなルールや思い込みがあるのか」という点を丁寧に検討してみましょう。
- 万が一自分が恐れている事態が起きた場合、それが取り返しのつかない事で対処できない事態なのかを検討しましょう。(より適切な対処法についても検討しましょう)
などについて検討しましょう。 - 自己主張できない理由について検討し、どう考えたら合理的なのか、あらゆる可能性を排除せず丁寧に、客観的に考えてみましょう。