感情の強さを測定する
カウンセリングを行う場合、あるいは他者からの協力が必要な場合、感情の共有はとても重要な課題です。
しかし、感情はとても個人的な体験です。
ですから、感情を共有する方法として言葉使うカウンセリングでは、対象者の感情をカウンセラーが正確に理解し、共有することはとても難しいのが現実です。
そして、心理学的な知識が少ない一般の協力者(協力を要請する他者)であればなおさらです。
かなり怖い、結構怖い、めちゃくちゃ怖い、忘れられないくらい怖い・・こうした感情表現の範囲や意味合いは、個人によって大きく異なっています。
ですから、このような普段使っている言葉による表現では、カウンセラーと対象者、周囲の人間との間に、大きな認識のずれがうまれてしまうのです。
こうした理由から、カウンセリングの場では、できるだけ数値を使って主観を評価します。
主観を定量的に共有する方法は、
- 感情の強さを物理的に表現してもらう方法(ビジュアル・アナログ・スケール) SUDなど
- 評定尺度を使って回答を求める方法 評定尺度を判定する質問表などを使って計測します。
に大別されます。
「主観的測定方法:ビジュアル・アナログ・スケール」
- SUD(自覚的障害単位)
- 恐怖の温度計(SUDにイラストなどをつけて分かりやすくしたもの)
などがあります。
SUDは感情の強さを0~100(または10段階)で表現してもらう方法です。
メモリや段階を刻んだスケールを示して、そこから該当する感情の強さを選んでもらいます。
ビジュアルアナログスケールのメリット
- 対象者への負担が軽いこと
- 繰り返し測定する事が可能なこと
- 数値なので整理や処理が簡単であること
- 著作権の心配も要らないこと
- 評定する感情や気分などをオーダーメイドで用意する事ができること
などです。
ビジュアルアナログスケールのデメリット
- 個人間での比較が難しいこと
- 診断や絶対的な重篤度を評価するのが困難なこと
などがあります。
同じ人を測定する場合でも、時期をずらした評価をする時は、標準化された評価尺度を使う必要があります。
標準かされた評価尺度には、異常な恐怖や不安のレベルと正常な範囲の境界が示されているものもありますので、対象者(自分)の症状が正常な範囲に回復したかどうか判断の材料にすることができます。
恐怖や回避行動の程度だけでなく、その範囲を調べるために適した評価尺度もあります。
特定の恐怖症については恐怖調査票という尺度がよく使われます。強迫観念と強迫行為の範囲を調べるための尺度としては、Y-BOCSが有名です。