猜疑心が強いタイプへの説得

何かを伝える時、それが「どれほど素晴らしいか」を懸命になって伝えようとするものです。しかし、どんなに素晴らしいもの(商品、出来事、人物etc)でも欠点はあるものです。長所と欠点は背中合わせのセットになっているからです。

どれだけ素晴らしいものでも、その気になればいくらでも欠点を指摘することはできるのです。ですから、相手が猜疑心が強いタイプであったり、説明している人物に対して良い印象を持っていない場合は、それが「どれほど素晴らしいか」を懸命になって伝えても、あるいは伝えれば伝えるほど、次々と反論が出てきます。

ポイント

その反論い対してひとつひとつ丁寧に説明していも良いのですが、こういう反論はできるだけ少ない方が説得も円滑に進みます。こうした反論を未然に防ぐために、説得の中にあらかじめマイナスに作用する情報をさりげなく組み込んでおきましょう。

例)

  • 値段的には高いですが耐久性に優れていますので、長い目で見れば十分に元は取れます。
  • 効果が出るまで時間はかかりますが、その後は効果が長期間持続します。

良い点・素晴らしい点だけを伝えると、猜疑心が強いタイプや説明している人物に対して良い印象を持っていない場合は、良い点・素晴らしい点についての情報に耳がいかないで、悪い点・欠点を探すことに必死になってしまう傾向があるからです。

サングラスをかけて虫眼鏡で見る少年

あらかじめマイナスに作用する情報を組み込んでおくことで、相手が安心してプラスに作用する情報にも耳を傾けやすくなるので説得できる可能性が高くなります。

相手に最初からマイナスに作用する情報を伝えているため、相手はマイナスな情報を受け入れやすくなるというメリットもあります。マイナスな情報に対する免疫をつくる作用があるということです。後からマイナスに作用する情報が出てきても、相手がそれに強く影響されなくなります。これを「免疫効果」といいます。