苦しみを生む自動思考

自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

反証の拒否

自分のネガティブな思考に矛盾する証拠や考えをひとつも受け入れようとしないこと

反証の拒否の例
  • (男性)ずっと前から君のことが好きだった。→(女性)私のことをからかって笑いモノにしようとしてるのね。そんな手には引っかからないわ!!
    「私は愛されていない」と信じる人は誰かがその人を好きだと言ったとしても自分の中で様々な反論をして「私は愛されていない」と信じ続けます。

反証の拒否

人の物事の判断の基準になる判断基準を「スキーマ」といいます。人はスキーマに基づいて物事を考え判断します。

例えば自分に対するスキーマが「私は人より劣っている」というものであれば、人よりうまく物事を処理できた時は色々な理由をつけて、そのことに関する価値を無意識に下げて(この程度の事は・・、これはたまたま~だから・・)しまい、人よりうまくできなかったときは「やっぱり、私は人より劣っているんだ」と記憶の奥深くに取り込んでスキーマを強化させていきます。

同じ風景を見ても興味のあるものが違えば記憶に残るものが違うのと同じです。

自分について否定するスキーマが強い場合は自分を追い込み、周りを巻き込んで辛く苦しい毎日を過ごさなくてはならなくなってしまいがちです。

こうした傾向が強い人は・・

それをすることでの損益分岐や対象となっている出来事についての根拠と反証や根拠の質の検討、視点-逆視点法などを使って自分の思考について見直してみると良いでしょう。