自分を苦しめる典型的な自動思考

自動思考とは、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことで、認知行動療法によるカウンセリングでは一番最初に扱います。
この考え方のパターンが、その人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。

強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

反証の拒否

自分のネガティブな思考に矛盾する証拠や考えをひとつも受け入れようとしない事。

  • “私は愛されていない”と信じる人は、誰かがその人を好いているというどのような証拠も受けつけず、その結果、その人は、“私は愛されていない”と信じ続けます。

人の物事の判断の基準になる判断基準を「スキーマ」といいます。
人はスキーマに基づいて物事を考え判断します。

例えば、自分に対するスキーマが「私は人より劣っている」というものであれば、人よりうまく物事を処理できたときは色々な理由をつけてそのことに関する価値を無意識に下げて(この程度の事は・・、これはたまたま~だから・・)しまい、人よりうまくできなかったときは「やっぱり、私は人より劣っているんだ」と記憶の奥深くに取り込んでスキーマを強化させていきます。

同じ風景を見ても興味のあるものが違えば記憶に残るものが違うのと同じです。

反証の拒否の傾向が強い人は、このスキーマを強化する力がとても強く、自分に良い結果をもたらせてくれるスキーマを持っている場合は良いのですが、自分について悪い結果をもたらしてしまうスキーマが強い場合は、自分を追い込み、周りを巻き込んで辛くて苦しい毎日を過ごさなくてはならなくなってしまいがちです。
反証の拒否

反証の拒否の傾向が強い人は・・・

それをすることでの損益分岐、対象となっている出来事についての根拠と反証、根拠の合理性、視点-逆視点法などを使って自分の思考について定期的に見直してみると良いでしょう。

『損益分岐』

考え:私は劣っている
利益 不利益
失敗した時にショックが少ない

努力してもムダだと感じやる気が起きない

不利益= 60 %    利益= 40 %
不利益―利益=  20 %
結論
自分で劣っていると決めつけることで、劣っている状態をより強くしている。
自分にも何かできると信じる方が良い結果を得られやすい

『根拠と反証』

信念:男は人に弱みを見せてはいけない
根拠 反証
父がそういっていた 弱みを見せる人が魅力的だと思うことがある
根拠の妥当性= 20%    反証の妥当性= 80%
根拠の妥当性―反証の妥当性= 60%
結論
親にそう言われたからと言って「絶対に正しい」とは限らない。自分の感性や感覚を信じてみることや他の人の話を聞くことも大切そうだ。

『根拠の妥当性』

信念:弱みを見せる男はみっともない
根拠 根拠の質や合理性に関する検討
愚痴ばかり言っている人をみると情けなく思うから  愚痴を聞いても、たまにだと「この人にも弱いところがあったのか」とホッとする。程度の問題かもしれない。
結論
愚痴をいうのは悪いことではない。ただし、頻度や言い方。人の立場などを考える必要がありそうだ。

『視点―逆視点法』

信念:弱みを見せる男はみっともない
自動思考 合理的反応
私は人より劣っている  学校の成績で私より成績の悪い人がいる
劣っている人と比べてもしょうがない 優秀な人ばかりと比べるのは不公平だ
自動思考に対する合理的な反応を記入したら、その合理的反応に対する自動思考を書くといった具合に下に向かってロールプレイ形式で記述してください。