自分を苦しめる典型的な自動思考

自動思考とは、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことで、認知行動療法によるカウンセリングでは一番最初に扱います。
この考え方のパターンが、その人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。

強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

レッテル張り

自分や他人に対して、大雑把でネガティブな特性をラベル付けしてしまうこと。

  • 私は嫌な人間だ
  • 彼は不愉快な奴だ

人には色々な側面があります。

長所や短所が混在しながら存在しています。
また、その時の状況・・一緒にいる人、場所、場面などで様々な側面を見せるものです。

しかし、「あいつは○○だ」「私は△△だ」とある側面だけに目を向け、対象に大雑把なレッテルを貼る人がいます。
この傾向が強すぎると、判断が早くなるのは良いのですが、人間関係の幅が狭くなったり、自分自身でできることに限界をつけるようになったりしてしまいます。

また、レッテルを貼り付けることで別の側面に意識を向けることがなくなり、対象人物を好きになったり、その人から学ぶ機会をなくしてしまいがちです。
また、人でなくても、「世の中は冷たいものだ」などとレッテルを貼り付けることで、それを証明する事実ばかりが目に入るようになってしまいます。
(人はレッテルを貼るとそれと異なる情報に意識を向けることが極端に少なくなってしまいます。)
レッテル張り

こうした傾向が強すぎる人は・・

「人格と行動を分離する」練習やそのレッテルとなっている定義とセットになっている長所を探す練習、人の価値について見直してみたりすると良いでしょう。

『人格と行動を分離する』

  • 今回の取引先での部長の行動は、とても冷徹で厳しいものだった。しかし、普段は人情味あふれ部下に慕われているし、家族を大切にしている

といった形で、その時の行動とその人の人格を分けて考える練習をしましょう。
違う側面に目を向ける練習です。

レッテル張りの傾向の強い人は、こんな場合「部長があんなに冷たい人だったとは思わなかった。あの人にはついていけない」という感じで、1つの出来事でその人への見方を覆してしまったりします。

『短所とセットになっている長所を探す』

短所と長所は必ずセットになっています。
以下を参考に、その人の短所とセットになっている長所を探してみましょう。

ディズニーのキャラクターくまのプーさん
くまのぷーさんは、いつもハチミツを探して、食いしん坊、そしてノロマな感じがします。
そんなプーサンについて「魅力は何ですか?」こんな質問をすると、「癒し系、平和、優しそう、おだやか・・・」と答える人が多いようです。

その人たちに、もし、「プーさんがウッドペッカーみたいに素早く動けたら、どう思う?」と聞くと、ほとんどの人が、こう答えます。「可愛くない、癒されない、平和じゃない・・・」

つまり、「ノロマ」(短所)な感じと「癒し系、平和、優しそう、おだやか・・・」(長所)はセットになっていて、短所が消えると、長所も消えてしまうということなのです。

短所と感じていることとセットになっている長所をみつける練習をして上手になれば、長所と短所の両方を公平に見て、大雑把なレッテルを貼って対象人物から学ぶ機会をなくしたりすることもなくなります。
また、対象人物に敬意や好意を持ってお付き合いすることができ、関係を良好に保つことができるようになるでしょう。

人の価値について見直し

人の価値は何で決まるのでしょうか?ある側面だけに目を向け、「優れた人物だ」「最低の人間だ」とレッテルをつけてしまう場合があります。
ブレインストーミングを使って誰かと一緒に人の価値とは何かを出しあってみましょう。

ブレインストーミング
新らしいアイデアを出すのに良く用いられる方法です。
質より量を出すことを目的とし、沢山出たアイデアの中から必要なものを後からピックアップします。

ルールは2つ、

  1. 思いついたことはすべて書き出す(良い考えかどうかは後から考えます、量を増やすことを優先しましょう)
  2. 人の考えを否定しない(「そんなのダメだよ」「できないよ」etc出てきた考えを否定するのはやめましょう。量が出なくなってしまいます)

そうして出てきたアイデアの中から自分たちの基準に合う物を後から選び出します。