苦しみを生む自動思考

自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

後悔思考

今できることに目を向けるのではなく過去にとらわれてしまうこと

後悔思考の例
  • あの時もっと努力していたら、今よりもいい仕事に就くことができたのに
  • あんな事をいうべきじゃなかった
  • 自分はもっとうまくやれたはずだ

後悔思考

過ぎ去った過去の出来事に目を向け、その悪い面ばかりにとらわれてしまう人がいます。現在の悪い状況は全てその出来事や選択があったからだと考えてしまうのです。この思考が強すぎると変化させられない過去の出来事ばかりを考えてしまい、結果の出ない思考を繰り返しすることで疲れてしまったり必要な選択について消極的になってしまったり、あるいは選択できなくなってしまったりします。

そのことで現在の状況をさらに悪化させてしまうことも多いのです。

こうした傾向が強い人は・・

「あらゆる出来事の中にある長所や学び」について考えてみましょう。一見良いことが何もなかったかのように感じる出来事や選択の中にも良かった点、次に活かして人生を豊かにするためヒントが隠れています。それを紙に書き出してみましょう!!

また自分がどんな感情になっていることが多いのかを具体的に把握してみることも有効です。毎日の生活の中で自分の感情や気分について意識を向けることは案外少ないものです。頭の中はやるべきことやできないことなどで一杯です。自分の感情について気づくことは、心の状態に対する存在と価値を自分自身のなかに作り出す作業です。感情のリストアップをして見みましょう。(感情と事柄や考え感覚、外部の状況を分けましょう)

感情に関する認識が低下するとネガティブな状態を長く継続してしまう傾向があるようです。

自分の感情についての興味と感性を高める

このリストを作成しようとするとマイナス感情のリストアップの方が容易で、ネガティブな感情ばかりをリストアップする人が少なくありません。多くの人間がネガティブな感情で生きているのです。人間はいくつもの感情を持っているので、ポジティブな感情が2つで、ベガティブあ感情が5つあればネガティブな状態に傾いている考えてみましょう。ゴルファーなら1ショットごとボクサーなら1ラウンドごと、ビジネスマンなら1時間ごとや出来事ごとに自分のフロー状態を見つめる習慣を形成すると良いでしょう。

感情のリストアップ

ポジティブな感情・気分 ネガティブな感情・気分
嬉しい、楽しいetc 怒り、イライラetc
感情や気分や気持ちを言葉に表現してみる ☆自分の心を表す「感情」気づいてみましょう。

体の感覚に意識を向ける

さらに後悔思考の人は現在を感じること、今この瞬間を感じることが苦手なようです。体の感覚に意識を向ける練習をしましょう。ヨガやボディースキャン、坐禅、瞑想などがお勧めです。