苦しみを生む自動思考

自動思考は認知行動療法の用語で、何かの折につけ自動的に頭に浮かんでくる考えのことです。この考え方のパターンが人の言動の基本になっていて、それが不利益をもたらす場合は見直す必要があります。強すぎると不利益をもたらしてしまう典型的な自動思考のパターンを紹介していきたいと思います。

不公平な比較

自分よりできる人(側面)ばかりに注目し、彼らと自分を比較する事によって、自分が劣っていると決め付けること

人生は元々不公平にできていて、仕事ができて性格も良く育ちも良くて品が良いなんて、一見非の打ちどころがないような人もいます。どんなことにでも例外はあるものです。しかし「不公平な比較」が強い人は常に他者の一番いい所と自分の苦手なことを比べて、自分が劣った人間であると決めつけてしまいます。
どんな人にも長所はあるので、その部分では他者よりも素晴らしいのですが、周りの人の得意なことと自分が苦手なことを比べれば自分ができない事ばかりになってしまいます。そんなことをしていると他者より自分が劣っているところばかりだと感じてしまうようになってやる気を失ってしまいます。
不公平な比較

不公平な比較の例
  • 彼女は私より仕事ができる。私はダメだなぁ〜。
  • 彼女は社交的でとっても魅力的だ。私は社交的でも魅力的でない。

こうした傾向が強い人は・・

「不公平な比較」の傾向が強い人は、「自分の長所」についてシッカリと認識することが大切です。自分の「できないこと」ではなく「できること」に注目してみましょう。自分で見つからない場合は勇気をもって周りの人に自分の良い所・長所は何かを聞いてみるのも良いでしょう。また短所と長所は必ずセットになっていますから、以下を参考に自分の短所とセットになっている長所を探してみましょう。(リフレーミングといいます)

リフレーミングの例

短所を維持するために使っている能力について考えてみよう!

ディズニーのキャラクターくまのプーさんはくいつもハチミツを探していて、食いしん坊でノロマな感じがします。そんなプーサンについて「魅力は何ですか?」こんな質問をすると、

癒し系・平和・優しそう・おだやかなどと答える人が多いようです。その人たちに、もし「プーさんがウッドペッカーみたいに素早く動けたら、どう?」と聞くと、ほとんどの人がこう答えます。可愛くない・癒されない・平和じゃないと感じるようになるのです。

「ノロマ」(短所)な感じと「癒し系、平和、優しそう、おだやか」(長所)はセットになっていて、短所が消えると長所も消えてしまうのです。

短所と感じていることとセットになっている長所をみつける練習をして上手になれば、長所と短所の両方を公平に見て、自分がどうありたいかを考え、短所を受け入れるか、克服するかを選べるようになるでしょう。