コミュニケーション基本の基本

コミュニケーションは、その「スキル」や「能力」高さによって、その質(快適さ、心地よさ、相互理解)などが決まるものだと思っている人は少なくないようです。もちろんコミュニケーションの「スキル」や「能力」高さは、コミュニケーションの質に大きな影響を与えます。しかし、その質を高めるために「スキル」や「能力」高さより、もっと基本的で大切なことがあります。

心地よいコミュニケーションのための挨拶

相手に安心した心の状態を作ってもらうこと」が円滑なコミュニケーションの基本であることについては前回ご説明しました。ここからはコミュニケーションを円滑にするための挨拶について考えてみたいと思います。

挨拶のポイント

安心・胸の前で手を合わせる女性

相手に安心・安全を感じてもらうことが目標です。挨拶を通して「敵意がないこと」「あなたを信用していること」「相手と有効な関係を作りたいこと」などを伝える意識を持ちましょう。

日本では頭を下げ目線を下にやることで相手に対して無防備な状態をつくります。アメリカでは両手を広げ急所である内臓をさらけ出してハグをします。こうした無防備で敵意が無い態度を相手に見せることで、相手を信頼していることが伝わり相手は安心します。ちろん笑顔で挨拶できるともっと友好的な挨拶になるでしょう。

お互いの信頼の第一歩は挨拶なのです。よく「コミュニケーションの基本は挨拶だ」といわれますが、それは挨拶を通して相手に「私は、あなたを傷つけるつもりはありませんよ」「私はあなたに好意があり仲良くなりたいのです」という気持ちを相手に伝えることで、安心して話ができる状況を作るという目的があるからです。

叫ぶ・応援する女性

挨拶が「礼儀」だというのは2次的な理由です。世界には文化の違いによって色々な「挨拶」がありますが、挨拶の仕方は違っていても、挨拶を通してその意思を強く示すことが重要なのです。

相手に「私はあなたに敵意がありません」「私はあなたを信頼しています」「私はあなたと仲良くしたい」という気持ちを、言葉で伝えることはとても難しいことです。言葉にするとわざとらしくなってしまいますし、かえって相手に不信感を抱かせてしまうこともあるでしょう。ですから「挨拶」を含めた「相手を受け入れる表現」がとても大切になってきます。コミュニケーションスキルの一番の基礎は、「相手が安心できる状況をつくること」なのです。