褒め方に注意しよう

褒め方に注意しよう
「誰でも褒められればうれしいもの」と思っていませんか?
しかし、褒め方が上手でないと、せっかく褒めても相手が気分を害してしまうことも多いのです。

褒めたのに相手が気分を悪くするパターン

  • いらない褒言葉
    相手が軽視していたり、そう見られたくないという言葉で褒めるパターン
  • 侮辱を含んだ褒め言葉
    同じ結果を出した人が褒められていないのに、自分だけ褒められるパターン

いらない褒め言葉

ほとんどの人は「こんな人でありたい」「こんな人間として見られたい」という希望を持っているものです。
例えば、真面目でコツコツ生きてきた父親との折り合いが悪く嫌っていて、自分はスマートに仕事をこなせる要領の良い人になりたいと願っている人がいたとします。

その人の中では「真面目=父のように誰にも評価されない取り柄のない人」という意味づけになっていたりするので、「君は真面目だね」という褒め言葉で褒められると「取り柄がない人」「評価されない人」だと言われたと受け取って、「バカにされた」と感じてしまいます。

相手の価値感を全て理解することは難しいですから、こうした事態を完全に防ぐことはできないでしょう。人は自分が褒めて欲しいことや褒めて欲しい言葉で他者を褒める傾向があるからです。

他者を「君は真面目だね」と褒めている人は「真面目でありたい」と願っているでしょうし、「君はテキパキと仕事をするね」と褒めている人は、「要領が良い、仕事ができる人」だと願っているでしょう。
それを把握しておくことで、褒められたと感じることや褒められたと感じる言葉で相手を褒めることができるようになります。

侮辱を含んだ褒め言葉

褒める基準が一定でないと、褒められたことで侮辱されたと感じてしまうことがあります。
部下のAさんとBさんが同じ結果を出したとします。

Aさんは上司から「お前ならもっとやれるだろう」と叱責を受けました。しかし、Bさんは「よく頑張ったなぁ」と褒めらました。

この違いは褒める人が「努力して得た結果」は素晴らしく、「努力しないで得た結果」は大したものではないと考える傾向があることで起こります。

この前提からBさんは「私は能力がない」と思われているんだと感じてしまいます。

人は人にレッテルを貼り付けて、「この人は○○な人」と自分なりの解釈をつけてしまいます。一度レッテルを貼ってしまうと、その人のあらゆることがそのレッテルを通して見えるようになってしまいます。誰でもいつの間にかこうしたレッテル貼ってしまうものですが、できるかぎり、いつも同じ基準で叱り、同じ基準で全ての人と接しているかについて考えてみてください。

気づき・ひらめき

  • 他者と話している時にどんな言葉で喜んだり動揺したりしているかを観察したりしていれば、こうした状況に陥るのを防ぐことにつながります。
  • その人が「どんなこと」で「どんな言葉で」人を褒めているかを意識して覚えておくことも大いに役立ちます。