人間関係と食事

心地良い人間関係を作るには「相手を尊重すること」「相手の考えをしっかりと受け止めること」「自分の考えや感情をを素直に伝えること」「ネガティブな出来事(嫌なことを言われる、無視される、不快になるなど)があっても、すぐに気持ちを切り替えられること」などをクリアすることが必要です。

より良い人間関係のための食事

コミュニケーションに必要な能力には経験や天性の性格的資質も関係あるのですが、食事などの生活的な要素が強く関係しています。こうした能力には「セロトニン」という脳内物質が関わっているからです。セロトニンが必要量分泌されることは良好な人間関係を維持するためにとても大切です。

セロトニンを合成しているセロトニン神経がしっかりと働いていると、「一時的な感情に左右されにくい」「他人と自分の関係を客観的に見ることができる」「相手の気持ちを汲み取る感覚が研ぎ澄まされる」「前向きな発想が出やすくなる」といった傾向が強くなるため、セロトニンレベルが向上すると「心が安定」します。

セロトニン神経の働きが低下したりセロトニンが不足すると、「感情的になる」「他人と自分との関係を客観的に見られなくなる」「相手の気持ちを汲み取る感覚が鈍感になる」「前向きな発想が出にくくなる」といった傾向が強くなるため「心が不安定に」なります。

ドーパミンやノルアドレナリンなどの脳内物質も心の安定に強く影響しています。ドーパミンは快感、やる気、学習能力、運動機能や記憶力を高めるとともに、抗ストレス作用をもつ神経伝達物質で、ノルアドレナリンは神経を興奮させる神経伝達物質で「やる気」や「意欲」を高めるてくれます。(行き過ぎると「不安」「恐怖」「緊張」が引き起こされます)

気づき・ひらめき

セロトニンの材料はトリプトファンという必須アミノ酸、ドーパミンの材料はチロシンという非必須アミノ酸で、ビタミンB群、C、亜鉛などを利用して生産されています。ノルアドレナリンはチロシン → ドーパ → ドーパミン → アドレナリン、ノルアドレナリンという順でに変換されて生産されます。これらは夜中の1時前後に生産されるといわれていますので、トリプトファン、チロシン、ビタミンB群、C、亜鉛などをバランスよく食事でとることと、十分な睡眠をとることが、良好な人間関係を作ることに強く関わっていることを知っておきましょう。

セロトニンの分泌を促進するために

  • バランスの良い食事を取る
    必須アミノ酸(特にトリプトファン)、ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛
  • 太陽の光を浴びる
    1日15分以上、起床後にたっぷり浴びて体内時計をリセットしましょう
  • 適度な運動
    特にリズム運動(歩く、走るなど)がおススメです。
    食事中に食べ物をよく噛む(リズム運動になります)ことを心がけましょう。
  • 夜11時までに就寝する
    夜中の1時~2時にセロトニンが多く作られるという説があります。(セロトニンが生産される時間帯)

これらを3ヶ月、半年、1年と継続するにつれて心が穏やかになるのを感じるはずです。

心と身体は相互に影響を与え合っていることを絶えず意識してください。今の自分の性格傾向が食べ物や生活サイクル、生活習慣の影響を受けていることを意識して、より健康で元気に楽しく毎日を暮らせるように工夫しましょう。

オススメ食材

  • 「トリプトファン」(食品100g当たりの量含有)
    バナナ 10mg、豆乳 53mg、牛乳 42mg、ヨーグルト 47mg、プロセスチーズ 291mg、ひまわりの種 310mg、アーモンド 201mg、肉類 150~250mg、赤身魚 200~250mg、糸引納豆 242mg、すじこ 331mg、たらこ 291mg、白米 89mg、そば 192mgなど
  • 「チロシン」(食品100g当たりの量含有)
    かつお2700 mg、小麦たんぱく 2500 mg、湯葉2200 mg、高野豆腐 2200 mg、脱脂粉乳1600 mg、しらす干し1500 mg、ナチュラルチーズ1400 mg、プロセスチーズ 1300 mg、きな粉1300 mg、大豆1300 mg、しろさけ(すじこ)1200 mg、あまのり(ほしのり) 1200 mg、すけとうだら(タラコ、生)1100 mg、ラッカセイ(乾)1100 mgなど