ワーク32の準備−4

アドバイスする女性

2:瞬間的コーピング(その場に対処するためのコーピング)

強度のストレスに直面したとき、人間脳を取り戻すためのコーピング(フルネスアクション)を行ったら、準備しておいた瞬間的コーピングを行ってみましょう。
慣れないうちはフルネスアクション→瞬間的コーピングの流れがうまくいかないかもしれません。

しかし、強度のストレスにさらされた時にとるフルネスアクションが条件反射として定着してこれば、次の瞬間的コーピングへの切り替えができるようになっていくでしょう。

ただし、どんな瞬間的コーピングを行うにしても事前の練習は必要です。
予測されるストレス状況を設定して、それに対する瞬間的コーピングを検討して練習しておきましょう。
(自分一人で瞬間的コーピングを見つけられない場合は専門家の相談して見つけておきましょう)

場面:帰りがけになって、突然上司から残業を言い渡された。
いつもなら断れず、不満を抱えたまま引き受けてしまう。
この繰り返しで家族との約束を守れなかったり、仕事を抱え込みすぎて、仕事の遅延や失敗が増えてしまったり、胃が痛くなったりしている。

STEP1:フルネスアクション
自分を落ち着かせる言葉を頭の中で繰り返す

STEP2:サンドイッチ話法(行動)を試す
私をご指名ですか?頼りにしていただいてありがとうございます。(相手に対して敬意を表す)
ご期待に沿いたいのですが、家族との大切な約束があるのです。
緊急な仕事ですか?もし、私でなくてもできる仕事であれば、○○さんに依頼してはどうでしょうか?

お金が必要で、残業を従っていましたよ。
次回、私でお役に立てるようなことがあったら、ぜひ行ってください。精一杯頑張らせていただきます。

ポイント

 

ピアノを弾く女の子

今回はフルネスアクション後にサンドイッチ話法を取り入れて、上司に失礼のないようにお断りするという例をご紹介ました。
しかし、「瞬間的コーピング」としてサンドイッチ話法をストレス場面で使うためには、普段から練習していないと出てきません。

お断りする場面を設定し、上司と自分の会話の流れを書き出していきましょう。
会話がスムーズに行える流れを設定できたら、実際に言葉にして自分の台詞を話してみましょう。

イメージを使って練習するのも良いでしょう。
イメージを使った練習でうまくいかない場合は、その場面でどんな言葉や態度をとったらうまくいくかを再検討して、再度イメージを使った練習を行いましょう。

イメージの中で上手に振る舞えるようになるまで練習することが大切です。(リハーサル)

また、相手がいる場合であればロールプレイングを行うのもオススメです。
相手に上司役をやってもらったり、自分が上司の役をやることで様々な気づきを得ることができるでしょう。

大切なのは、どんなコーピングをとるにせよ、ぶっつけ本番でやってもうまくいくものではないということを理解することです。
気持ちを落ち着けるための深呼吸や筋弛緩法にしても、どんな言動をとるにせよ、準備とリハーサルをくり返しコーピング成功の疑似体験を何度も繰り返して自信をつけておくことが必要です。

そうすることで本番での成功率が徐々に上がって、自信を持ってコーピングを行うことができるようになるでしょう。


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