行動を機能や役割の側面から把握する

行動の機能や役割

認知行動療法では学習の法則に基づいて考えていきますので、本人や周りから見て望ましくない行動でも何らかの役割を果たしている(意味がある)から継続していると考えます。なぜなら、自分にとって全く役に立っていないなら繰り返かえさないからです。

行動の機能分析・行動分析について

  1. 行動の役割(機能)を明確にする(機能分析)
    行動が果たしている役割をひとつずつ丁寧に分析します。
    ひとつの行動の役割は複数ある可能性があります。
  2. 行動が強化される要因やプロセスを明確にする(行動分析)
    問題となっている行動は様々要因(強化要因)によって強化されています。
    ですから、その行動が強化されるプロセスを詳細に分析して強化要因を明確にすることが必要です。
  3. 行動の役割を明確にし行動分析をする
    行動の役割を詳細に分析をすることで、その行動を抑制したり、ストップするための方法を見が見つけやすくなります。
    行動療法を行うことで生じた行動の変化を、自分の力で維持させるための方法が見つけやすくなります。
    自分自身が意識できていない悪循環を分析することができるので、効率よく改善することができます。
    周囲の人と現状を共通のものとして認識しやすくなるので、周囲の協力を得やすくなります。
    (周囲の人間が補助しやすくなります)
  4. 情報収集をする時に守るべきこと
    現在の環境、状況、周囲の人との間に繰り返されている悪循環を紙に書き出し(外在化)ましょう。
    変容したい行動(ターゲット行動)を決定し、そのターゲット行動のきっかけとなる刺激(先行刺激)や行動の役割を推測しましょう。(機能分析)
    機能分析の妥当性を、実際の取り組みを通して検証していきましょう。
    分析結果が妥当でないと判断された場合は、もう情報を再収集して機能分析をし直しましょう。
    機能分析が妥当であることが明らかになるまで機能分析を繰り返しましょう。
    行動変容への取り組みの途中も、繰り返し機能分析の妥当性をチェックしましょう。
  5. 悪循環を明確にする
    ターゲット行動と環境との相互作用を分析して把握しておきましょう。
    行動をフローチャートとして書き出しながら悪循環をとらえていきましょう。
    悪循環を捉える方法2つあります。
    A. 1人の人間の中で悪循環を捉える方法
    B. 2人以上の人間関係のなかで悪循環を捉える方法
行動フローチャートの例

行動フローチャートの例