スキーマの源に手紙を書いてみよう

トラウマや辛い体験からの悪影響を緩和するための技法として、スキーマの源となった人物やその時の自分に対して手紙を書くという方法があります。対象者が他者の場合、実際に手紙を送る必要はありません。

スキーマからの解放を目指そう

幼少期の経験から逃れられないまま支配され続けコントロールされているより、その時何が起きて、それに対して自分がどんな事を感じ考えたのか、そしてネガティブなスキーマをもたらした人物が、「過ちや失敗をしていること」「どれほど酷い事をしたかということ」「どれほどに不公平だったかということ」を事実としてシッカリと書き出して主張して、現在の自分の認知力と理解力でとらえなおすことがとても役に立ちます。

練習方法

「スキーマの源に手紙を書く」を利用してスキーマの源となった人物、又はその時の自分に手紙を書きましょう。

スキーマの源に手紙を書く

以下の事について検討してみてください
  • 今の自分を苦しめる考え(スキーマ)が生まれたのは誰のせいでしょうか?
  • 誰がこのようなスキーマを刷り込んだのでしょうか?
  • その人の影響が今でも続いていて、それが現在、未解決のまま残っていることが問題を維持、増悪させていませんか?
  • 過去に何が起きたどんなことが原因でそのスキーマは生まれたのでしょうか?
  • そのスキーマが刷り込まれたのはいつですか?
  • その人物に対して手紙を書いて、自分の気持ちをはっきりと伝えてみましょう。
  • 手紙を書くときには、「今の自分はその時の出来事に対抗できるほど十分に強いのだ」と考えてみてください。
    自分で自分を守る強さが今のあなたにはあるのです。
  • その人物に対して「嫌だ」と主張して良いのです。
  • 手紙に、その時の記憶を詳しく書きだしてください。
  • その人は、どのように間違っていたのでしょうか?
  • それに対して、どう感じていましたか?
  • その人は、どのように言動をとるべきだったでしょうか?
    それらを(手紙に書き出して)本人に伝えてみてください。
  • その時の自分の態度や考えについてどう思いますか?
  • このような作業をすると気分が悪化すると感じますか?
    それは変化に対するスキーマ側の防衛かもしれません。

スキーマの源となった人物やその時の自分に手紙を書くことを否定的に感じる人は多いものです。「仕返しされる」「手紙を書くと嫌な気分が思い出されて傷つく」「罪悪感が蘇る」などと感じるからです。

自分を苦しめるスキーマを自分に刷り込んだ人物が言っていた事が正しかったのだと信じていることも少なくありませんが、この作業の中で生まれる「ためらい」や「恐怖」を1つ1つ丁寧に取り上げ、再検討することで、過去に対する感じ方や捉え方が変化し始めます。自分を苦しめるスキーマを抱く人が、その記憶を再検討することにためらいや恐怖心を抱くことは一般的な事です。ためらいや恐怖が強い人は、自己主張することへのスキーマについて先に再検討してみましょう。

「私には主張する権利はない」「あの人が言っていた事は正しかった」「自主張したら、ますます事態が悪化してしまう」 などのスキーマを感じる時は「自分と違って自己主張できる人たちはどんな人たちなのでしょう?」「その思考の根拠」などについて考えてみてください。