人と議論して主張する時、相手の論理を矛盾や不条理な点を明確にするという方法がよく使われます。
その1つの方法として、

相手の論理を利用して、その論理と類似した論理がいかに矛盾と不条理に満ちているかを提示する

という方法があります。
カウンセリングのポイントこれを背理法といいます。

背理法の使い方

背理法には

  • 同じ論理展開で矛盾や不条理を提示する
  • 言い分に含まれる矛盾や不条理を明らかにする

というやり方がありますが、どちらにしても、その論理展開に潜んでいる、矛盾、不条理をわかりやすくデフォルメしていきます。

  • ミスをする人間は馬鹿だ
    私の部下はミスをした → だから私の部下は馬鹿だ

というのは

  • 裕福な人に高学歴者が多い
    私は高卒だ  → だから私は裕福にはなれない

と同じ論理です。
実際には高卒で裕福な人がいるのはどう説明したら良いのでしょうか?

また、

  • 私は失敗した。だから死ぬしかない

もし、この論理が正しければ、

  • 何かに失敗した人は、皆死ななくてはならない

ということになってしまいます。

  • 私が独身なのは私に愛される価値がないからだ

もし、この論理が正しければ、

  • 結婚している全ての人間はかつて独身だった、だから結婚している人間は愛される価値がない

という論理が正しいことになってしまいます。

練習の仕方(背理法を使って自分の考えを点検してみましょう)

  1. 背理法のフォーマットを利用して、ネガティブな思考をリスト化してみましょう。
  2. 1を検討しどのような不条理や非論理性が含まれているか検討してみましょう。

    認知行動療法-背理法

    認知行動療法で使用する「背理法」の記入例

64:「背理」シートのダウンロード

以下について検討してみてください

  • 自分の思考の癖に、どんな矛盾や不条理が含まれているのかを検討してみませんか?
  • 自分がどのように論理に基づいて推論しているかという事を書き出してみましょう。
  • 自分の考えが正しいか間違っているかいった事を検討する必要はありません。
    自分の考えを世界中の人が採用し、それに基づいて推論、行動したらどうなるかについて考えてみましょう。
  • 自分の苦しみや悲しみ、不安、心配といったネガティブな感情は、矛盾や不条理が含まれている論理に基づいて考えているからではありませんか?

自分の論理は妥当で検討の余地はないと感じる人がいるかもしれません。
しかし、ここでの課題は、その思考が基づく論理が妥当かを検討することではなく、その思考を一般化した場合の矛盾や不条理さを検討することです。

もし、世界中の人が、その論理を世界中の人(あるいは自分のまわりの他者)が採用したとしたら、どうなるかを考えてみてください。