2分割思考を点検する

ネガティブな感情を感じやすくする思考の癖の代表的なものに2分割思考があります。「自分には2つの極端な選択肢しかない」と考えてしまうことをいいます。

「そのどちらも選択すべきでない」「選択すべきものを選ぶことができない」などと感じることでネガティブな感情が強くなってしまうのです。これを回避するためには「選択肢の数を増やすための検討」「状態の中間点を探す」「選択すべき状態の何割程度が実現したのかあるいは実現しそうかということを検討する」などを行って、極端な2つの選択肢にとらわれないようにする工夫が必要です。

例えば・・・
  • 大学受験に失敗したから生きている資格はない
    →一浪して再受験してみよう。1年ぐらいの遅れはきっと取り戻せるさ。
  • 大学受験に失敗し希望の大学には入れなかった。
    希望の仕事につくためには遠回りすることになるが学ぶこともあるだろう

2分割思考をする傾向が強すぎると、ある状況に当てはまらないと極端な反対の状況に陥ってしまったと感じてしまいネガティブな感情を感じやすくなってしまいます。2分割思考は決断をはやめ迅速に物事に対応していくためには役に立ちますが、行き過ぎると気分が乱調になったり物事を肯定的に解釈しづらくなってしまいます。

この傾向が強すぎることでネガティブな感情を感じやすい人は、色々な割合や条件などを総合的に考える練習をしてみましょう。

練習方法

  1. 「2分割思考を点検する」を使って、2分割思考をリストアップしましょう。
    (すべての、完全な、全体的に、いつも、決して…ない、一番…なといった表現に注意てさがしてみましょう)
  2. 1でリストアップした2分割思考の反証を考えてみましょう。
  3. 1に換わるネガティブな感情を呼び起こしにくい考えを探してみましょう。
    「時には・・・である」といった表現に書き換えてみるなど

2分割思考を点検する

以下の事について考えてみましょう

  • 物事を「役に立つ事」か「役に立たない事」(良い事・悪い事/完全・不完全)といった2つの側面に分類して考えるような考え方を『2分割思考』といいます。
    考える速度や判断する速度を速めるためには良い結果をもたらしますが、本当にこの2つの側面だけであらゆることを判断できるのでしょうか?2分割思考以外の考え方はありませんか?
  • 白や黒だけでなく、物事を灰色に見ることや、物事の変化の多様性を示す証拠を見つけるために、「2分割思考」の反証を探してみましょう。

「自分には価値がない」とか「全てうまくいかない」といった考えについての根拠が多すぎて「反証を考えるまでもない」と感じる人もいるでしょう。そのような人はネガティブな面を支持する根拠が多い事を否定する必要はありません。ただし、うまくいくときの根拠や条件についても検討してみましょう。そうした検討をすることで、うまくいく方法が見つかるかもしれません。